自分との関係 - のりのりこ
2019/08/03 (Sat) 20:57:18
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今、懸命に役作りに取り組んでいます。
夫に先立たれた、うつ病の主婦の役で、いろいろうつ病の人の体験記とか、長野県の話なので、長野の旅行記など、読んでだいぶイメージが固まってきました。
だいぶ、自分とは違うキャラクターができてきましたが、ふと……
これは、いったい誰?という気がしてきました。確かに自分で演じてますが、私ではない別の他人です。よく考えると、怖いような気がします。先生はどうお考えになりますか?
Re: 自分との関係 - ウィナーズラボ
2019/08/05 (Mon) 11:29:26
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舞踏家であり俳優でもある「田中泯」さんが、週刊ポストのインタビューでこう話しています。
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舞踊家・田中泯は二〇〇二年に映画『たそがれ清兵衛』に出演して以降、役者としても活躍するようになる。二〇〇五年の『メゾン・ド・ヒミコ』ではゲイの老人役を演じた。
「『たそがれ清兵衛』に出演してから、似たような仕事の依頼が結構来たんです。でも、全て断りました。そんな時に『メゾン・ド・ヒミコ』の台本を送っていただき、読んだら面白かった。
その時に気づいたことがあります。それは、人間にはちょっとした違いで『もしかしたら、ああなっていたかもしれない』という『もう一つの可能性としての自分』もいるのではないかということです。
たとえば江戸川乱歩が『私は生まれた時から、私という群れの中の一人でしかない』と言っているように、あるいは寺山修司が『寺山修司という職業を私は生きている』と言っているように、私もまた『他にたくさんいるかもしれない私』の中の一人を今やっているだけではないか。そして、この台本を読んだ時に、『私はこの人を知っている。自分自身の可能性の一つではないか』と思えたんです。
それから仕事を選択する基準が変わりました。『別のタイミングで生まれていたら、こんな人になっていたかもしれない』『この人に生まれてきてたらどうだったろう』と芝居を通じて考える楽しみが出てきたんです。
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ちなみに、鶴瓶さんのインタビュー番組で言われていましたが、そのように、もし自分の人生で、環境やタイミングが変わっていたら、「この役の人」になっていたかもしれない・・・そう思える役しか田中泯さんは引き受けないそうです。
で、新作映画では、なんと!橋本愛さんと恋に落ちる老人の役、「そう、これも私の中にあるんでしょうねえ」と恥ずかしそうにしていらっしゃいました・・・。
ちょっと話が脱線しましたが、まあそういうことだと思います。
「自分の中の誰か」を楽しんで見つけて下さいね!
Re: Re: 自分との関係 - のりのりこ
2019/08/06 (Tue) 12:09:12
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いつも、ご指導、本当にありがとうございます。
先生のコメントを拝見して、はっとしました。確かテキストにもそうありました。また、私は重大な勘違いしていたかもしれません……
私は、今まで自分以外の他人を真似よう、としていました。だから、気持ち悪かったのかもしれません。でなくて、あくまで自分なんですね。そういう自分の一つの顔。
今、モデルとしている人物がいますが、その方のいろいろな姿や考え方を、まず取り込んで、演じたいと思います。
ありがとうございました‼️
Re: 自分との関係 - ウィナーズラボ
2019/08/06 (Tue) 13:45:41
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演じる時の違和感や快感には注意深くいる必要がありますね。
そこに、正解かどうかの答えが隠れています。演技がうまくいったときにはどんなときも快感があります。
ただ、一つ注意しなければいけないのは、自分は違和感があると思っていても、監督から「それでいい」と言われた場合です。自分の外からしか自分は見えないのですから、信頼できる監督なら、それに従った方がいいのです。
最初は硬くて靴擦れしている革靴が、やがてしっくりと足に馴染んでくるような感じになるかもしれません。それは、自分がそれまでまったく考えてもいなかった新たな快感なのです。
より大きな新たな快感を感じられるよう、頑張って下さいね!
Re: Re: 自分との関係 - のりのりこ
2019/08/06 (Tue) 21:02:34
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ああ……なるほど……快感なんですね。
そうか、そんな尺度があるとはしりませんでした。ともかく、もうイメージはかなり固まってきたので、これを進めてみます。いい結果になるといいな、と思ってます。
いつも、本当に貴重な助言をありがとうございます。また、明日からがんばります。