呼吸に乗せて - のりのりこ
2018/02/10 (Sat) 11:31:21
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今いっしょにやっている演出家の方は、セリフを言うときは、まず呼吸を作ってそこにセリフをのせろといいます。感情はその次だということでした。
テキストにも息芝居について出てきますが、呼吸を作るということがイマイチわかりません。
たとえば、ある人が怒っているとき、シチュエーションにも人にもよるでしょうが、穏やかなときと比べれば、たぶん呼吸は、息の量は増え、息の回数は増え、つまり荒々しくなると思われます。
この呼吸のリズム?を作るということなのでしょうか……ただ、呼吸はその時々で変わるようにも思います。本当に途方にくれています。
もし何かヒントがありましたら、ご指導ください。
Re: 呼吸に乗せて - 【ウィナーズ☆ラボ】
2018/02/12 (Mon) 02:36:55
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「呼吸を作る」という考え方には、功罪両方があります。
人が生きてるということは、「息してる」ということです。その人の感情や状態に合わせて呼吸の状態も常に変化しています。
たとえば、怖れている時は、口から荒く息を吸って「逃げる」方法を考えています。ムカついている時は口を閉じ、奥歯をかみしめながら鼻息荒く呼吸しています。
そのように、呼吸は「自然」に感情や状態に合わせて変わっていきます。しかし、人は緊張している時は、呼吸も当然慎重に浅く呼吸していて、セリフは息を止めたまま話したりしてしまいます。
ですので、緊張しがちの人は、どのようなシーンでも全く同じその「緊張の呼吸」になりがちなのです。
そういうとき、呼吸をそのシーンにふさわしいものに変えることができたなら、当然演技は素晴らしいものになります。
それは訓練を積むことによって簡単にできるようにはなります。しかし、逆に呼吸の適切な訓練をしていない人にとっては、緊張しているとき、呼吸は「作ってはいけない」ものだと考えてしまい、いつまで経っても「同じ緊張呼吸」しかできないのです。
本来、演技において「呼吸」に意識を向けるべきではありません。それぞれのシーンにおいて、その役が注意しているもの、たとえば、目の前の殺人鬼とか、滑って転ぶ友人とか、おいしそうな食事とか、にきちんと「注意」を向けられたなら、その人は当然、自然な感情と呼吸になります。
ですから、俳優が注意を向けるべきは、「呼吸」などではないのです。しかし、演技に慣れてくれば「呼吸」を作ることで、その前の状態がどういう状態でもとりあえず、一気にその役に入ることができるのです。
「呼吸を作る」ということは、「結果としてその役に合った呼吸になっている」ということです。それ以外の理由はありません。
ただ、呼吸を作ることが先にくると、「よくある演技」になりがちです。感情を作ることは、もちろん論外です。理想はあくまでも、「自分が今いる世界」に注意を向け、「そこにいる」ということです。
その台本の世界の中にいることができれば、呼吸など考えなくとも当然「自然」に呼吸してえんじることができていますよ。
「これは自分の物語で、自分の話なんだ」と考えてみましょう。それができれば、必ず興奮したり、息が止まったり、ため息ついたりするはずです。
Re: Re: 呼吸に乗せて - のりのりこ
2018/02/12 (Mon) 07:47:53
*.dion.ne.jp
本当にいつもありがとうございます。
はっとしました。確かに、ひょっとしたら私はいつも緊張して、萎縮していて、笑っているつもりでも緊張していたかもしれません。
また、ひとつわかりました。本当に本当にありがとうございました。