演技のソルフェージュについて - 日比谷公園
2016/08/09 (Tue) 22:42:50
*.openmobile.ne.jp
こんばんは。
私、テキストにありました「演技のソルフェージュ」を毎日10分ずつ、やって、演技の勉強をしているところです。
ところで、わからないところがありまして、質問させてください。
①ト書きについてですが、動きをいちいち書いていくときりがないし、といってどの動きを書けばいいのかもはっきりしません。どれくらいト書きを書けばいいかとか、これだけは書いた方がいいというのがあれば、教えてください。
②一つの作品を連続してやっていった方がいいのでしょうか?それとも、ジャンルも作品も変えて、いろいろな作品をやった方がいいのでしょうか?
すみません、ご教示いただけたら、さいわいです。
Re: 演技のソルフェージュについて - 【ウィナーズ☆ラボ】岸田
2016/08/09 (Tue) 23:49:10
*.bbtec.net
日比谷公園様
ご質問ありがとうございます。
「演技のソルフェージュ」、つまり実際のドラマや映画などから「台本」を自分で書き起こし、それを演じてみるという訓練は、演技を学ぶ上で、特に初期段階ではとても効果的な訓練です。
「ト書き」は、おっしゃる通り全て書くと大変ですよね?
ドラマなどの完成作品から、「作者の意図」と「役者の工夫」を読み取り、そのプロの仕事を学ぶと言うのがソルフェージュの主目的です。
普通の流れ、つまり「台本」を演じようとすると、それらが最初のうちはわからないのです。
プロの脚本家がどこにポイントを置いて作品を描き、プロの俳優がそれを効果的に伝えるため、どのように演じているか?そこにポイントを置いて「ト書き」を書き出して見るといいと思います。
鍵となるのは「何がどう面白いのか?」です。
たとえば、A太に親友から「お前、あの子に告白しないならオレが取っちゃうよ」とラインで連絡が来たというシーンで、
(ト書き)
A太、スマホの画面から顔を上げ空間を見つめる、ふと我にかえり、机の上の書き掛けの手紙を見つめ、それをくしゃくしゃに丸める。
などと、ト書きを書けば、A太の心情が手に取るように伝わります。
つまり、映像演技では「セリフ」そのものはタダの状況説明に過ぎないのです。要するに「ナレーション」みたいなものです。
言葉ではなく、「画(動きや情景)」で、心情や状況を観客にわからせることによって、観客は「その作品の世界」に入り込むことができるのです。
そういう状況、情景、心情、事情などがわかる部分の「ト書き」を書いておくといいですね。
ちょっと実例を見ながらでないので、説明がわかりにくいかもしれませんが、「セリフでは伝えきれない物語の要素」こそが、「ト書き」です。
観客目線で、「その作品の世界に入り込める」ということが重要です。そこから逆算して「正解」を見つけていって下さいね。